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苺の合図 その2

ผู้เขียน: 秋月 友希
last update วันที่เผยแพร่: 2026-10-10 11:19:10

 京都の空は、薄い雲に覆われていた。

 楢崎はペントハウスの警備室で、壁一面に並んだ監視画面を見渡していた。エントランス、エレベーターホール、地下の駐車場、屋上へ通じる非常階段。どの画面にも怪しい影は映っていない。

 監視画面の一つに、最上階のリビングが映っていた。結衣が朝食のパンケーキを小さく切り分けて、口に運んでいる。幼稚園を休むと告げたとき、結衣は少しだけ唇を尖らせたが、それ以上は何も言わなかった。父親も凜もいない朝に、この子なりに何かを感じ取っているのかもしれない。

 結衣のそばには、警備部の男が一人と通いの家政婦が付いている。

 家政婦は先週から入った三十代の女だった。前の家政婦が急に辞めることになり、一条家と付き合いの長い紹介所から回されてきた。楢崎自身が経歴を洗い、前の勤め先にも裏を取った。どこにも傷はなかった。

 結衣はすぐにこの女に懐いた。女が苺のケーキを上手に焼くからだ。昨日も、凜お姉ちゃんが帰ってきたら一緒に焼こうね、と約束していた。

 午前八時二十分。

 エントランスの監視画面に一人の男が映った。受付の係に何かを訴えている。背広は皺だらけでネクタイも締めていな
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     私は紙を見下ろしたまま、口を開いた。「なぜ、私に」 梶谷さんは答えなかった。黙ったままの相手に、私は言葉を重ねた。「あなたは聴聞の間で私の言葉を遮りました。半円の真ん中で、私に向かって『代理如きが発言する場ですか』と言い放ったのも、あなたです。その人が今夜、私に証拠を渡す。信じろと言う方が無理です」「信じなくて結構です」 即答だった。「誰かが、私の名前を使っているんです」 梶谷さんは指を一本ずつ折った。「一つ。日本で結衣さんを隠し撮りした男は、撮った写真を評議会の連絡用アドレスへ送っていました。そのアドレスの持ち主として登録されているのは私です。隼人さんは、もうご存じでしょう」 二本目の指が折られる。「二つ。あなたの名前で偽の承認を作ったのは、記録の上では私です。あなたが台帳で見たとおりです」 三本目。「三つ。大垣常務の陳述書を評議会の証拠として受け取り、記録に登録したのも、書記である私の名前になっている」 梶谷さんは折った指をほどいた。「写真を受け取ったのも、署名を偽造したのも、嘘の陳述書を通したのも、全部私。記録だけを見れば、そういう筋書きになります。この偽造が明るみに出たとき、エドモンドは『書記が勝手にやったことだ』と言うだけで済む。最初から、私が罪を被るように組まれているんです」 梶谷さんは眼鏡を外し、レンズを袖で拭った。「車の中で、私は『あなたには血も記録もない』と言いました。私にも、血はありません。十三家の出ではない。記録しか持たない人間が、その記録ごと罪を着せられれば、何も残りません」 眼鏡をかけ直した目が、まっすぐ私を見た。「私はあなたを助けたいのではありません。自分が生き残りたいだけです。善意だと言われるより、その方が信じやすいでしょう」 突き放す言い方だった。けれど、この館に来てから耳にしたどの言葉よりも、嘘の匂いがしなかった。 私は机に手を伸ばし、紙を取った。「受け取ります。でも、信じたわけではありません。一つ目は、兄さんに確かめてもらいます」「それでいい。確かめる人間の方が、信じる人間より長く生き残る」 梶谷さんの視線が、私の上着のポケットに向いた。「録音も、そのまま続けてください。今夜私が話したことは、あなたの側にしか残らない」 気づかれていた。いつから? とは聞かなかった。 廊下の奥

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